言葉をはじめて覚えるような幼な心の感覚で編集を/53[守]学匠メッセージ【84感門】

2024/09/14(土)18:40
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2024年8月25日。第53期[守]基本コースは卒門日を迎えた。学匠・鈴木康代は、各教室を見守りながら、松岡校長の面影を追っていた。康代学匠は、松岡校長の編集的世界観のミームを託されてこの春発足したISIS_commissionのメンバーの一人でもある。

 

学匠として、53[守]の変わることと変わらないことを意識してきた。[守]の期中の勉強会伝習座ではこまつ座座長井上麻矢さんを迎えて特別講義「編集宣言」の冒険を語っていただいた。

守で得た編集の方法の先にあるものを学衆に届けたい康代学匠の想いがにじみでてくる。

そして、迎えた第84回感門之盟「25周年番期同門祭」DAY 1、第53期[守]の卒門式のはじまりに康代学匠はメッセージを語る。

「ことばをはじめて覚えたころのような幼な心を校長は大切にしていました。場と人と事と体験が一緒になっていくと同時にお題の懐かしさを思いだす先に用法はあるのです」

康代学匠は柔らかく、そして的確に守の意味を解く。

「みなさんは、守の38のお題を通して校長の思考のプロセスを体験したと思ってほしい」

「簡単に書ける回答は捨てていい。心の奥にある秘密基地やさみしかったことが表沙汰になることで体験にあらわれるのです」

校長の旅立ちが届いた格別の想いが重なる万感の想いを秘めつつ、

康代学匠は軽やかに言の葉を紡いでいく。

「校長は存在としてここにいます。みなさんのなかにその断片はあるはずです。ここからさらに校長の在を引き継いでいきましょう」

明日をともに歩むことを力強く呼びかける康代学匠の声が会場中に響く。

▼前任の冨澤学匠と松岡校長の面影を背に守の編集の方法を語る康代学匠

  • 細田陽子

    編集的先達:上橋菜穂子。綿密なプランニングで[守]師範代として学衆を全員卒門に導いた元地方公務員。[離]学衆、[破]師範代と歩み続け、今は物語講座&多読アレゴリアと絵本の自主製作に遊ぶ。ならぬ鐘のその先へ編集道の旅はまだまだ続く。

コメント

1~3件/3件

堀江純一

2025-10-02

何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

川邊透

2025-09-30

♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。

若林牧子

2025-09-24

初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。