何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

井上麻矢さんが、53[守]の舞台に出演する。そんな話を聞きつけ、ZOOMへと向かった。イシス編集学校の花形演題『編集宣言』が7月14日に本楼で開催される。田中優子さん、大澤真幸さん、武邑光裕さんに続く、4人目の登壇者は劇団こまつ座代表取締役社長の井上麻矢さんだ。12[守]胸中サンズイ教室の学衆であり、師範代とともに型を磨き、「編集学校では言葉を考える力を学んだ」と振り返る。こまつ座代表を継いでからはイシスで学んだ型とともに走り続けている。5月24日、学林局のメンバー、[守]の師範陣が麻矢さんとの打ち合わせに臨んだ。
麻矢さんは私たちの前に顔を出し、特別講義の構想を滑らかな口調で話し出す。講義はこまつ座でプロデュースした映像を鑑賞しながら進んでいくようだ。これまで手掛けてきた企画では、「編集学校で学んだことを具現化してきた」と、守の型が身体に染み入っている語りぶりである。さらに「型を覚えなければ、型を壊せない」と、父井上ひさしの作品を徹底的に学び、井上ひさしの型を壊してきたと語る麻矢さんならではの演劇的な特別お題がプレゼントされるという。お題に臨めば、編集の型・実践術の真髄に迫れるはずだ。終始、麻矢さんが放つ、優しい眼差し・耳を傾ける力・語る勇気に胸が騒ぐのを感じた。そして打ち合わせ開始から僅か40分後、風のように芝居の世界に帰っていった。
短冊揺らめく七夕の季節、劇団こまつ座と53[守]で化学反応が起こる。麻矢さんの仕事芝居術を学び、ちょっと粋な「たくさんのわたし」の物語が創発する、そんな情熱の舞台が約束された。
文/紀平尚子(53[守]師範)
特別講義の概要は以下の通り。
●イシス編集学校第53期[守]特別講義「井上麻矢の編集宣言」
●日時:2024年7月14日(日)14:00~17:00
●ご参加方法:zoom開催
●ご参加費:3,500円(税別)
※53[守]受講生は受講料に含まれています。
●申込先:https://shop.eel.co.jp/products/detail/717
※53[守]受講生は教室からお申し込みください。
●お問合せ先:es_event@eel.co.jp
どなたでも受講できます。ふるってご参加ください。たくさんのお申し込みをお待ちしています。
イシス編集学校 [守]チーム
編集学校の原風景であり稽古の原郷となる[守]。初めてイシス編集学校と出会う学衆と歩みつづける学匠、番匠、師範、ときどき師範代のチーム。鯉は竜になるか。
花伝所の指導陣が教えてくれた。「自信をもって守へ送り出せる師範代です」と。鍛え抜かれた11名の花伝生と7名の再登板、合計18教室が誕生。自由編集状態へ焦がれる師範代たちと171名の学衆の想いが相互に混じり合い、お題・ […]
これまで松岡正剛校長から服装については何も言われたことがない、と少し照れた顔の着物姿の林頭は、イシス編集学校のために日も夜もついでラウンジを駆け回る3人を本棚劇場に招いた。林頭の手には手書きの色紙が掲げられている。 &n […]
週刊キンダイvol.018 〜編集という大海に、糸を垂らして~
海に舟を出すこと。それは「週刊キンダイ」を始めたときの心持ちと重なる。釣れるかどうかはわからない。だが、竿を握り、ただ糸を落とす。その一投がすべてを変える。 全ては、この一言から始まった。 […]
55[守]で初めて師範を務めた内村放と青井隼人。2人の編集道に[守]学匠の鈴木康代と番匠・阿曽祐子が迫る連載「師範 The談」の最終回はイシスの今後へと話題は広がった。[離]への挑戦や学びを止めない姿勢。さらに話題は松 […]
目が印象的だった。半年前の第86回感門之盟、[破]の出世魚教室名発表で司会を務めたときのことだ。司会にコールされた師範代は緊張の面持ちで、目も合わせぬまま壇上にあがる。真ん中に立ち、すっと顔を上げて、画面を見つめる。ま […]
コメント
1~3件/3件
2025-10-02
何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)
2025-09-30
♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。
2025-09-24
初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。