何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

指南とはそもそもどういうものだろう? 回答を送る学衆と指南を手渡す師範代はどのような関係なのだろうか?
そうした問いから始まった森由佳[守]師範は、第149回伝習座で師範代の構えを語った。
道に迷わないために南を示すという、中国の「指南車」が起源と示しつつこう続けた。
「学衆がお客さんで師範代は人力車なのか? そうではない。
また、師範代の力だけで南につくかというとそうでもなく、学衆は回答を繰り返すだけで動く電気自動車でもない。
つまり、学衆の力だけでも、師範代の力だけでもない。」
すると、学衆をいいかえるとどうなるだろう。
「学衆は車輪かな。自分で進まないといけないから。
ただ、車輪だけで動かないからエンジンが必要。
それは編集学校の仕組みそのもの。あるいは教室、問感応答返、先達が積み重ねた指南事例。
何よりその真ん中に松岡校長という超強力なエンジンがある。」
では、編集エンジンがあるだけでいいのか。そんな中で注意が必要なことがある。
「編集の力を直接車輪に伝えると動かなくなる。
だからその間にギア(歯車)が必要になる。
編集エンジンの動力を伝えるのが師範代なんじゃないかな。」
学衆は車輪、師範代がギア、車を動かすのが編集力。
「ギアにも色々ある。
ハイギアは高速道路や番ボーに。学衆を乗せていける。
だが、山道や手強いお題には、ローギアでじっくり時間をかけて登っていくことも必要。
38番のお題をいかに全部やっていけるように学衆さんの車輪を回して、編集エンジンをうまく伝えていくのが師範代の役割です。
ぜひたくさんのギアを持ち替えて、ギアチェンジしながら頑張ってください!」
と締めくくった。
上杉公志
編集的先達:パウル・ヒンデミット。前衛音楽の作編曲家で、感門のBGMも手がける。誠実が服をきたような人柄でMr.Honestyと呼ばれる。イシスを代表する細マッチョでトライアスロン出場を目指す。エディスト編集部メンバー。
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コメント
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2025-10-02
何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
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作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)
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