7月2日、大澤真幸が本楼に現る。【51守特別講義】

2023/06/26(月)12:00
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 7月2日は何かが起こる。必ず起きる。
 なぜならこの日、「知の探究者・大澤真幸」が、51[守]スペシャル講義の講師として本楼に登場するからだ。

 何が起きるのか。何を起こすのか。


 鼓動をさらに高めるべく、2日開催に向けて、明日27日から、イシスの誇る師範数名が、「大澤真幸本を通した大澤真幸ガイド」をお送りする。大澤さんのファンにとっても、大澤さんをにまだ出会ったことがない方にとっても、有意義な内容になっているので、楽しみにされたい。

 

 では「本を通した大澤真幸ガイド」の露払いとして、「遊刊エディスト記事の<キーセンテンス>からみる大澤真幸ガイド」をお届けしよう。

●大澤真幸(おおさわ・まさち)
http://osawa-masachi.com/
1958年、長野県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。社会学博士。京都大学大学院教授などを歴任。現在、月刊個人思想誌『大澤真幸THINKING「O」』刊行中、「群像」誌上で評論「〈世界史〉の哲学」を連載中。

 

松岡校長いわく「大澤はすぐれて現在感覚に富んでいる社会学者である。自分の専門でしか発言しない社会学者が多いなか、自分たちにふりかかってきた問題に対して見て見ないふりをほとんどしない。しかも、そうした難解な状況を把握して問題をたてるときの手続きが冴えている」(千夜千冊1084夜「帝国的ナショナリズム」)

 

▲[AIDA]ボードメンバーとして松岡校長や座衆(受講生)と共に、毎期、相互編集を続ける大澤真幸さん。[AIDA]webにも、大澤案の声が多数、紹介されている(写真は[AIDA]webより)

 

わたしの現在地はどこか。どこから何を見るか。大澤さんの中には常に「問い」がある。

 

いま私たちは、何百年と続いた資本主義の黄昏時にいるのかもしれません

 

【AIDA】大澤真幸さんに聞いた「資本主義を乗り越える 日本語的発想とは」

https://www.eel.co.jp/aida/news/interview_board_3_osawa_masachi/

世界をどう見るかを提示しないといけない時期に来ているのに、そういう試みがなされていない

 

【多読SP読了式】大澤真幸×松岡正剛対談(1)西洋と東洋とイスラームの歴史をつなげて語れる人
https://edist-test.jpn.org/post/tadokusp_taidan1/

今、ぼくらが感じている事柄の大きさと、ぼくらが持っている思想とか言語とかイマジネーションの乏しさの間のギャップが極端だと思うんですよ。事柄が小さいからぼくらは考えていないんじゃなくて、事柄は大きいのに、それに対してぼくらが言えることがあまりにも少ない

 

【AIDA】シーズン1[対談セッション]石弘之*松岡正剛*大澤真幸 Vol.3:生命の定義を変えるーー「連続的なるもの」の生命論
https://edist-test.jpn.org/guest/aida-s1-ishihiroyuki-3/

 

「問い」を支えているのは、圧倒的な知の量と質だ。大澤さんは上から、横から、ナナメから、モノゴトを見る・切る・掴む。

 

文明にはそれぞれ固有の特徴がある。この文明的定数を見誤ると現在目の前で起きているアクチュアルな出来事、世界情勢も理解することはできないだろう

 

大澤真幸の四つの”読みスジ”【超人気講座★多読SP】
https://edist-test.jpn.org/just/osawa-tadokusp/

千年単位で歴史を見ることと、現代を考えることは直結する

 

ロシアはヨーロッパなのか 大澤真幸氏の語る「情歴」の読み方とは【イベントレポ】
https://edist-test.jpn.org/guest/joreki21_osawa_report/

 

ひとつ「わかる」と、「わからない」ことが増えていく。「わからなさ」を持ち続けることこそ、大澤さんの方法だ。

 


みんな簡単に腑に落ちすぎると思いますね。世界はわけがわからないのだ、と気づくことが世界に近づく秘訣です。世界はフワフワしているんですよ


良い本を読むと、腑に落ちないことに腑に落ちる

 

【多読SP読了式】大澤真幸×松岡正剛対談(2)二人の読書術
https://edist-test.jpn.org/post/tadokusp_taidan2/

 

大澤さんの特別講義は、きっとあなたに多くの気づきをもたらすはずだ。だがその気づきは、10の「わからなさ」を引き連れてくる。
今まで味わったことのない「わからなさ」を受け取る勇気はあるか。
7月2日は何かが起こる。必ず起きる。

 

(文/角山祥道)

 


■イシス編集学校第51期[守]特別講義「大澤真幸の編集宣言」

 

●日時:2023年7月2日(日)14:00~17:00
●ご参加方法:zoom開催。お申し込みの方にzoom URLをご案内します。
●ご参加費:3,500円(税別)
●対象者:未入門の方もご参加いただけます。51[守]受講中の方はそれぞれの教室にてお申し込みください。記録動画は1週間限定で共有されますので、当日ご都合がつかなくてもご参加いただけます。

 

●お申し込み:https://shop.eel.co.jp/products/detail/566

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コメント

1~3件/3件

堀江純一

2025-10-02

何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

川邊透

2025-09-30

♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。

若林牧子

2025-09-24

初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。