蒐譚場速報 校長メッセージ「秘する故実十七段」

2019/11/16(土)14:46 img
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 「生きる」ことは物語とどう出会うか。自分の物語をつくる、他者の物語と出会う。
 
 11月16日(土)13時から第十三綴[遊]物語講座のリアルイベント蒐譚場が始まった。冒頭の松岡校長の開口一番メッセージだ。
 「今の社会ではありとあらゆるものが用意されている。そうすると、みんな物語が似てくる。似てくると、物語の奥に入る用意、準備がないといけないが、用意もないからつまらなくなる。いじめ、家族、組織の問題が出てくるのもそういう理由です。世界がうんと小さくなる危険性が高い」と言葉を続けた。
 
 物語講座を受講する叢衆は、お題を通して、多種多様なスタイル、テーマの物語編集に挑む。何千何万という物語にある共通項とは何だろうか。
 物語には、はじまりがあって、終わりがある。プロローグがあって、エピローグがある。オープニングがあって、エンディングがある。先日行われた大嘗祭においても、何で始まって、何で終わったのか。必ず終わりはじまりがあったはずである。
 ギリシア悲劇などの古典演劇、和食からフランス料理、野球からラグビーまでのスポーツ。校長は古今東西のイベント、コース、プログラムを7、8年かけて研究し、それらがほぼ17段階になると見極めた。「故実十七段」として仕立て上げられたものは、『連塾本2』でも一部紹介されているが、詳細は伏せられている。中村吉右衛門、いとうせいこうもそれを見て、驚いたというものだ。公開が待たれる。
 
 「物語はありとあらゆるところにある。自分のこれまでの記憶で、一回始まって終わるまでの覚えていることを一度頭に入れておき、それを何度も書き換えられる状態にしておくといい」。校長メッセージは物語編集力を高めるためのアドバイスで締められた。このあと蒐譚場は物語ワークショップや校長講義などのプログラムが用意されており、22時半まで続く。
 
  • 吉村堅樹

    僧侶で神父。塾講師でスナックホスト。ガードマンで映画助監督。介護ヘルパーでゲームデバッガー。節操ない転職の果て辿り着いた編集学校。揺らぐことないイシス愛が買われて、2012年から林頭に。

コメント

1~3件/3件

堀江純一

2025-10-02

何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

川邊透

2025-09-30

♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。

若林牧子

2025-09-24

初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。