何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

編集学校の九州支所「九天玄氣組」は柚子胡椒も仕立てる。組員の技を生かし、九州の四季に遊ぶ、年に一度の恒例企画である。会場と材料を提供するのは42[守]ヤバケイ万全教室で師範代をつとめた田中さつきだ。田中が住む大分県耶馬渓町は柚子胡椒発祥の地にほど近い。庭には柚子の木がある。10月23日、田中家には組員の崟(たかし)智子、内倉須磨子とその友人、品川未貴が集った。
柚子胡椒の原料は柚子と青胡椒(青唐辛子)と塩である。柚子の枝にはかなり太い棘があり、触れてしまうと後々まで痛む。まだ青い実をいただくのだから、少々の犠牲は飲み込む。ちぎった柚子は軽く洗った後、おろし金を使って皮の部分を細かくおろす。さわやかな香りが一気に立ち上がる。塩漬けにしておいた青胡椒はミキサーにかける。ペースト状の青胡椒が放つ差すような刺激に涙をにじませながら、おろした柚子の皮とよく混ぜ合わせ、熱湯消毒をしたガラス瓶に詰めていく。この日は80瓶を仕上げた。できたての柚子胡椒は峻烈な味がする。
今年の柚子は裏作。庭の柚子だけでは足りず、田中が知り合いに声をかけて町内の柚子山で調達した。青胡椒の塩漬けは事前に仕込んでおいた。手仕事に欠かせないおしゃべりの種とおやつは各自が持ち寄る。今年話題にのぼったのは本の読み聞かせの語り方、おやつは内倉手づくりのいちじくケーキだった。柚子胡椒づくりは、組員が近況と心づくしを交歓する機会にもなっている。
3年前の九天10周年イベント「海峡三座」のお土産として好評を得た柚子胡椒「青郷(セイゴオ)」も、このようにしてつくられた。
石井梨香
編集的先達:須賀敦子。懐の深い包容力で、師範としては学匠を、九天玄氣組舵星連としては組長をサポートし続ける。子ども編集学校の師範代もつとめる律義なファンタジスト。趣味は三味線と街の探索。
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コメント
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2025-10-02
何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
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2025-09-30
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2025-09-24
初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。