松岡校長だけが知らないこと 感門之盟

2019/08/17(土)14:38 img
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 松岡正剛には知らないことがある。いや、あの博覧強記の松岡校長だけが知らないことがあるのだ。それは感門之盟の師範ジャンクションの一コマのこと。壇上で校長と師範がハグをする。その時に肩越しの師範たちはそれまでに見せたことのない表情を浮かべている。


 そこには『たけくらべ』の美登利のような少女の邪険も、『ブリキの太鼓』のオスカルのような少年の悪だくみも一切ない。何期にも渡って、そのシーンを追いかけてきたスチールカメラ担当のSNS伝奏連は、ある時あることを発見した。校長ハグを受ける師範の表情は4種類に分類できる。

 まず、嬉しさが溢れてしまう「満面の笑みタイプ」。多くの人がこれに当たる。そして次に多いのが「滋味深く味わうタイプ」。ハグにも慣れたベテランに多い。ここにはけっこう強めにハグを受ける「感無量系」も含まれる。ハグデビューとなる人は「恥じらいタイプ」が多い。初々しさが微笑ましい。そして少数だが「恍惚タイプ」もいる。これは上級者だ。

 感門之盟では、普段は凛々しい師範たちの溢れる表情にも注目されたい。でも、松岡正剛だけは知らない。

  • 後藤由加里

    編集的先達:石内都
    NARASIA、DONDENといったプロジェクト、イシスでは師範に感門司会と多岐に渡って活躍する編集プレイヤー。フレディー・マーキュリーを愛し、編集学校のグレタ・ガルボを目指す。倶楽部撮家として、ISIS編集学校Instagram(@isis_editschool)更新中!

コメント

1~3件/3件

堀江純一

2025-10-02

何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

川邊透

2025-09-30

♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。

若林牧子

2025-09-24

初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。