何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

11月5日、48[守]の勧学会イベント「空文字アワー」が始まった。
空文字アワーとは、教室全員参加の言葉ゲームだ。ある簡単な文に1カ所だけ( )がある。ここに自由に「言葉」を入れ、同時に新しく( )を1つ加える。次の人も同じことを繰り返す。
例えば
東京では( )雨が降っていた。
( )東京では季節はずれの雨が降っていた。
・
・
・
と、続く。これを全員で繰り返していくゲームである。
今期は、チームを越えた4教室が参加しての競演が実現した。同じチーム2教室での競演は過去にもあったが、4教室というのは初の試みである。
参加教室は、
◆ はいから官界教室 (竹岩直子師範代)
◆ イシス宣伝本部教室 (徳能弘一師範代)
◆ いつもトンネリアン教室 (畑本浩伸師範代)
◆ 一調二機三声教室 (藤井一史師範代)
最初の一文は4教室同じである。
<夜中に( )向かっていた>
そこからスタートして、それぞれ1週間かけて紡いだ物語を4教室でお披露目をする。
初めての教室対抗のイベントに最初は恐る恐るだった学衆も次第に夢中になっていく。最終日の11月11日、締め切り間近の各勧学会では学衆と師範代の必死の追い込みが続いた。
「続きが読みたくなってきました。どなたか続きを…続きをくださいっ!」
《イシス宣伝本部教室》
「渋滞を巻き起こしてしまってすいません!」 《一調二機三声教室》
「景山師範の追記に( )が無い!運転手は正面を向きつつもバックミラー
を見ながら運転されているのか!」 《いつもトンネリアン教室》
「移動中の電車で見たんですが、『え、みなさん、めっちゃええやん。どん
どん物語動いてますやん。』と感動!」 《はいから官界教室》
空文字アワーは「皆で言葉をつないで変化を起こすのが醍醐味」だ。どういう言葉がくっついたり、区切られるかは一人一人の編集次第で変わってくる。教室で師範代と回答・指南を繰り返しているのとは一味違う編集の面白さがある。
教室全員で大いにイメージを補強したり裏切ったりしながら、最終的にどんなストーリーになっていくのかを楽しむ。ワクワクしながら遊びながら創っていくのだ。
編集は遊びから生まれる。
同じ一文から始まった物語が、各教室でどう変化していったのか、自分たちの作品と照合して、刺激をもらい互いへのリスペクトを交換する。そうだ、これはまさしく「贈与」なのだ。
編集学校は空文字アワー以外にもこういったイベントが開催され、教室の稽古と並行して進んでいく。このあとも企画は目白押しだ。学衆たちは加速する編集稽古に果敢に立ち向かう。お楽しみはこれからだ!
秋の[守]講座受講、まだ間に合う!
中原洋子
編集的先達:ルイ・アームストロング。リアルでの編集ワークショップや企業研修もその美声で軽やかにこなす軽井沢在住のジャズシンガー。渋谷のビストロで週一で占星術師をやっていたという経歴をもつ。次なる野望は『声に出して歌いたい日本文学』のジャズ歌い。
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コメント
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2025-10-02
何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)
2025-09-30
♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。
2025-09-24
初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。