十一綴冠綴賞は阪本裕一 おもかげ二万里文叢

2019/08/06(火)21:47 img
img LISTedit

 [遊]物語講座十一綴の冠綴賞は、おもかげ二万里文叢の阪本裕一さんが受賞した。2月23日に開催された感話集では、松岡正剛校長が『記憶よ、語れ――自伝再訪』(ウラジーミル・ナボコフ)を贈呈した。

 

 窯変落語賞、窯変幼なごころ賞のトリプル受賞だ。スピーチでは「落語は自分としてしっかりやりたくて、50作読んで研究しました。妻に目を通してもらった時にはおもしろくないと言われることもありましたが……」と語り、会場を沸かせた。

 

 その他の賞は以下の通り。

 

 ◇窯変ミステリー賞 火の鳥シンデレラ文叢・石丸栄一さん ◇トリガー賞 蹴りたい火花文叢・浦澤美穂さん ◇編伝賞 火の鳥シンデレラ文叢・山田小萩さん

  • 松井 路代

    編集的先達:中島敦。2007年生の長男と独自のホームエデュケーション。オペラ好きの夫、小学生の娘と奈良在住の主婦。離では典離、物語講座では冠綴賞というイシスの二冠王。野望は子ども編集学校と小説家デビュー。

コメント

1~3件/3件

堀江純一

2025-10-02

何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

川邊透

2025-09-30

♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。

若林牧子

2025-09-24

初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。