ミポリンが得たもの、捨てたもの イシスと出会って

2019/08/06(火)09:00
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 「オレンジ色のホンダ・ズーマーが青春時代の恋人でした」。

 

 そう回想するのは、ミポリンこと浦澤美穂(12[離])。札幌での学生時代に原付バイクを乗りまわしていた。「遅れてきた反抗期でしょうか」。浦澤はふり返る。母親に反対されて一度は購入を断念した。だが、一冬かけて母親を説得のうえ、ついに手に入れた。

 

 ズーマーと別れの時が訪れる。広島への嫁入りが処分のタイミングになった。相手の小桝裕己(12[離])とはイシスで知り合った。ズーマーの下取り査定額は0円。浦澤はリアル男子へ乗りかえを果たした。


 結婚式当日に12[離]が開講。浦澤は洞響院、小桝は草徴院に同時入院する。慣れない土地での新婚生活は、世界読書で始まった。2018年夏には[守]師範代の再登板をする。同時期、水害で被災したが、浦澤の指南は漂々としていた。

 

 今後、イシスと浦澤になにが起こるのだろうか。浦澤の冒険はまだまだ続く。

 

浦澤・小桝

浦澤が得たもの

  • 井ノ上シーザー

    編集的先達:グレゴリー・ベイトソン。湿度120%のDUSTライター。どんな些細なネタも、シーザーの熱視線で下世話なゴシップに仕立て上げる力量の持主。イシスの異端者もいまや未知奥連若頭、守番匠を担う。

コメント

1~3件/3件

堀江純一

2025-10-02

何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

川邊透

2025-09-30

♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。

若林牧子

2025-09-24

初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。