新企画【冊師が聞く01】妻と娘と仕事と読書(松井路代)

2021/06/18(金)11:54
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多読ジムの名物冊師が”気になる読衆”にずばりインタビューする新企画「冊師が聞く」。

第一回のインタビュアーは「編集かあさん」でもおなじみの”まつみち”こと松井路代冊師(スタジオ茶々々)。

現在、トレーニングの最終ステージである「三冊筋プレス」真っ最中の読衆たちのナマの声をお届けする。多読ジムとはどんな講座なのか?

 

◆小桝裕己さん(スタジオ茶々々)◆

広島県呉市出身・在住。38歳。警備員。好きな本は詩、小説(SF、文学等)、絵本、写真集、画集、等々。海辺の街で、イシス編集学校で出会った妻と1歳の娘とにぎやかな毎日を過ごす。多読ジムにはシーズン06<春>から参加。


松井:ずばり、受講のきっかけは何だったのでしょうか。
まつみち冊師
まつみち冊師


小桝:もともと気になってはいましたが、子育てが忙しく、今はやめておこうと思っていました。しかし大音冊匠から多読ジムどうですか、とお誘いがあり、このままでは何年後になるかわからない、せっかくだから飛び込んでみよう、と。
 その少し前に、千夜千冊エディション『方法文学』響読会で、第2章のレクチャーをしたとき、一人で読みっぱなしにするより、この内容をどう人に伝えるかという気持ちで読むことでより深い読み込みができたと感じ、共読への興味が強まっていたことも大きいです。

 

松井:実際に共読を経験したことが決め手になったのですね。
 トレーニングはどんなツール、どんな時間帯、どんな場所で行っていることが多いですか? 
まつみち冊師
まつみち冊師

 

小桝:本は通勤電車の中で読んでいます。早朝と夕方~夜ですね。
 座れれば、松岡校長も愛用しているというVコーンでマーキングしています。書き込み心地が最高です。多読ジムを機に使いはじめました。

 

 回答は本当はパソコンで書きたいのですが、家だと1歳四ヶ月の娘に荒らされますし、タブレットも壊れているのでやはり通勤時に主にスマホでやっています。使いづらいです(笑)




 

車窓より海を望みながら

 

松井:スマホでもできる! みなさんに知っていただきたいです。家庭および仕事で変化はありましたか。
まつみち冊師
まつみち冊師

 

小桝:家では徐々に積ん読本が解消されていっています。仕事が休みの日に、今までは子育てに忙しい妻に遠慮して本を読むのも控えてたんですが、多読ジムの回答つくらなきゃいけないからと言うと、頑張って、と応援されるので申し訳ないなとも思いつつ本を読んだり回答を書いたりしています。妻のありがたさが身に沁みるようになりました。


 

ぎっしりつまったビジュアル本棚

 

松井:なんと、多読ジムが家族との関係をも変えつつあるのですね。
まつみち冊師
まつみち冊師

 

小桝:仕事は、通勤時の読書タイムが前にも増して楽しみになり、行きはフレッシュな気分で仕事に就き、帰りは疲れがリフレッシュされて家に帰る、という感覚になりました。メリハリがついたといえます。

 

松井:スタジオで、シーズン07<夏>もジムを続けますと宣言くださっています。
 継続を決めた理由をおしえてください。
まつみち冊師
まつみち冊師

 

小桝:楽しいので。やはりアウトプットを前提に読むと読み方がカワルな、という感覚があります。スタジオのみなさまの回答を読むのも、まつみち冊師の庭茶コメントも楽しみです(注:多読ジムでは冊師より指南ではなくコメントがつきます)。

 

 特にマーキングや図解は写真でみなさまの手書きが見られるのでドキドキしました。手書きだけで進む講座もあってもいいかも。
 書院の多読連本企画も面白かった。自分では手にとろうと思ったことのない、いろいろな本を知ることも楽しみのひとつですね。
 あと、他の講座と違い唯一の継続型なので、せっかくなら継続を味わってみたかったというのもあります。

 

松井:最後に、多読ジムのキャッチコピーをお願いします。
まつみち冊師
まつみち冊師

 

小桝:「心のバラスト、多読ジム。」です。

 

松井:海辺の街の「らしさ」たっぷりにキメてくださいました。
   ありがとうございました。
まつみち冊師
まつみち冊師


 

小桝さんの三冊筋プレスバーベル本。左から『マイナス50℃の世界』(米原万里/角川ソフィア文庫)、『不穏の書・断章』(フェルナンド・ペソア著、澤田直訳/平凡社ライブラリー)、『山頭火句集』(種田山頭火著、村上護編/ちくま文庫)。

 

Info


◉多読ジム season07・夏◉ 締切間近!!

 

∈START

 2021年7月12日(月)

 

∈MENU

 <1>ブッククエスト(BQ):ノンフィクションの名著

 <2>エディション読み   :『文明の奥と底』

 <3>三冊筋プレス     :笑う3冊

 

∈URL

 https://es.isis.ne.jp/gym

  • 松井 路代

    編集的先達:中島敦。2007年生の長男と独自のホームエデュケーション。オペラ好きの夫、小学生の娘と奈良在住の主婦。離では典離、物語講座では冠綴賞というイシスの二冠王。野望は子ども編集学校と小説家デビュー。

コメント

1~3件/3件

堀江純一

2025-10-02

何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

川邊透

2025-09-30

♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。

若林牧子

2025-09-24

初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。