何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

毎月公開されるEdist記事は30本以上! Edist 編集部メンバーたちから、見逃せない ”イチオシSelection” をお届けします。
5月は、ゴールデンウィークもなんのその。4月にスタートしたコースたちが立ちあがり、躍動し、子供から大人までが集って、編集をとことん楽しむ季節がはじまっています。
今月は、スポーツ新聞社デスクである”景山30点番匠”による記事で「8番・ピッチャー」として登板した江野澤由美師範がゲスト参加です。
それでは、遊刊エディストをさらに楽しむ「エディスト・セレクション」、どうぞ。
◎遊刊エディスト編集部◎ 吉村堅樹 林頭, 金宗代 代将, 川野貴志 師範, 後藤由加里 師範, 上杉公志 師範代, 梅澤奈央 師範代、松原朋子 師範代 + 江野澤由美 師範
─ イシスの周りに起きている未知の集いでPick!
千夜千冊エディション学習会。
イシスの周りに起きている、未知の集いを垣間見れるエディスト記事ならではの面白さ。
会のお題は、今まさにわたしも読まんとす「サブカルズ」!
都築響一の『TOKYO STYLE』と大竹伸朗の『全景』を携え本棚で待つわたしの『サブカルズ』、いよいよ開いてみようと相成りました。
ふむふむ、原型を捉え、そこに根無し草的サブカルジャパンが連なり重なる全3章か。
ん、他の千夜千冊エディションは4章構成だけど、なるほどそうした構造ね。
お、「追伸」にこのワケが書かれてる。
増殖しすぎた扱いたい本たちの連なりぶりもまた、サブカルズらしさに思えてくる。
学習会の型が語られ、また章立ての秘密もちらり書かれて、ひとり学習会をはじめます、この記事で。
松岡校長、もちろん読むだけでは終わらない。
次に生まれるべきサブカルズまで見据え語られたことも、記事にはちらり。
小さな差異、方法日本、個別の土地に根付いたサブカル耕し。
ナニナニ?
ポンと置かれたターゲットをお供に、さてと進めてみようかなと、元オリーブ少女をエディションかぶりつきにさせた記事、あなたもぜひご一緒にどうぞ。
── 江野澤 由美
テレワークが常となったこの一年。今や季節を感じさせてくれるのは近所のスーパーに並ぶ季節の果物か松井路代さんの「編集かあさん」か。今回の「編集かあさん」は春の蓬摘みのエピソード。腰を落とし「子どものことは半分忘れて」蓬摘みに夢中になる松井さんの視線は低く、春の陽気と土の匂いを感じさせてくれます。
小学校の帰り道、ランドセルを放り投げて友達とシロツメクサで花かんむりを作ったり、ツツジが咲けば蜜を吸ってみたり、タンポポの綿毛はどこまで飛ぶか吹いてみたり。あの頃「理科の教室」はいつも身近にあったことを、編集かあさんが教えてくれます。4月は編集学校待望のイシス子どもフィールドがオープンしました。編集かあさんシリーズもここから益々見逃せません。──後藤 由加里
デビューしたて、まだ少年だった郷ひろみは、毎日寝る前に「ぼくがんばる。ぼくがんばる」とつぶやいていたそうです。この記事は、イシスのスーパーアイドルである師範代にも、フラジャイルでいじらしい顔があると伝えてくださる貴重な資料でした。
師範代って、教室ではいつも凛々しいですよね。でも、楽屋裏では、回答が来なくて眠れず、指南がうまくいかなくて本気で落ち込むわけです。「師範代と名乗れなかった」と荒川樹里師範代がその痛切さを明かしてくださいましたが、自信なんて最初からない。なのにどうして教室でカッコよく振る舞えるのか。師範代というロールの謎を、5人の視点で読み解ける記事、ぜひみなさんで共読したいです。
執筆は、ジャイアンこと角山祥道師範代。18週にわたって教室のスナップショットを届けるだけでなく、こうして同期師範代の泣き顔まで描きとってくださいました。角山師範代と、尾島可奈子師範代は46[破]で疾走中。おふたりの現在進行系のドラマもいつか、お聞きしたいと思っています。── 梅澤 奈央
4 副編集長 金’s イチオシ!
連載コラム「千悩千冊」が誕生した経緯を皆さんはご存知だろうか。実はもともとこの企画は「僕」とサッショーによる「多読ジムpresents サッショーしまっせ!」という、本でお悩みに応える感門之盟のワンコンテンツだった。シーザーには人のモノを欲しがるという悪癖があって、サッショー企画もいつの間にか横取りされてしまった。しかも、なぜか横取りされた張本人の「僕」がこの千悩千冊の担当編集になった。さらにやれやれ、「0018夜」「0019夜」「0020夜」とナンバリングを見てお分かりのとおり、マジで4桁までやるつもりらしい…。でも、二人の”マジ”は「問感応答返+本」を読んでみてもらえれば、よくわかる。超くだらないお悩みにも、セツジツなお悩みにも、等しく”マジ”で「感応答返本」する。これが心地いい。シーザーもただただ横取りしただけではもちろんなくて、編集的礼節を持って、サッショーのパートナーロールを自家薬籠中のモノとしている。思い返せば、エディスト立ち上げを支えてくれたのもシーザーだ。極めればシーザー。次なるシーザー旋風に期待したい。サッショーはサッショーで、エディスト初の日刊連載、「読めば、MIYAKO」が始動する。 ── 金宗代
─ 流麗な文章表現でPick!
を推します。
リアル編集稽古イベントの記事化は、いかに特色を見せていくかが大切になると思いますが、上手に金沢の土地柄に話を広げ、「列を作ってバスを待たない」といった地元の人にしか分からないリアルな情報も、「武家の精神性や技芸の文化のなかに自分の存在の質を求める」といったスケールの大きな語りも無理なく折り込んで、「鈍感力」という新しい「金沢らしさ」を見せるところまで到達できている記事です。
ライターは新星の中川将志さん。デビューから素晴らしいのはそれもそのはず、脱稿までだいぶ井ノ上シーザー氏にしごかれたご様子。学衆時代以来の師弟関係はエディストの舞台裏でもしっかり続いていて、次世代エディスト育成の新しい可能性も見えた一本でした。── 川野 貴志
─ 応援ファンファーレでPick!
九天玄氣組十五周年企画であり、2月から始まった春のISISフェスタのトリを飾った九天のツアー記事。「一杯のお茶から九州を読み解く方法」と題したツアーをイシス秘伝のお茶「七茶の法則」に肖ってレポートしてくださっています。
執筆を担当したのは、今年の九天年賀で衝撃的(!)な『ドグラ・マグラ』表紙絵の女を飾った三苫麻里さん。たくさんの「茶(Cha)」で沸きたつ三苫さんの文体にCharmされた読者も多いはず! 十五周年をむかえますます加速する九天の現場を、これからも届けてください! ── 上杉公志
みなさんのオシは、見つかりましたか?
以上、2021年4月の記事から、編集部イチオシ記事を厳選してお届けしました。
また次回もどうぞお楽しみに~
エディスト編集部
編集的先達:松岡正剛
「あいだのコミュニケーター」松原朋子、「進化するMr.オネスティ」上杉公志、「職人肌のレモンガール」梅澤奈央、「レディ・フォト&スーパーマネジャー」後藤由加里、「国語するイシスの至宝」川野貴志、「天性のメディアスター」金宗代副編集長、「諧謔と変節の必殺仕掛人」吉村堅樹編集長。エディスト編集部七人組の顔ぶれ。
方法の学校は、ここしかない。世界で唯一の学校【ISIS co-missionメッセージ 井上麻矢×田中優子】
イシス編集学校アドバイザリーボード ISIS co-missionメンバーより、これから「編集」を学びたいと思っている方へ、ショートメッセージが届きました。なぜ今、編集なのか、イシス編集学校とはなんなのか。イシスチャンネ […]
イシス編集学校で予定されている毎月の活動をご案内する短信「イシスDO-SAY(ドウ-セイ)」。 10月は開講ラッシュの月。基本コース[守]、応用コース[破]、師範代養成コース[花伝所]、技法研鑽コース[遊] […]
【プレスリリース】「思考の武器、表現の食器、発想の楽器」を手に入れる。生成AI時代を生き抜く「編集力」を38の思考の型で鍛える基本コース第56期[守]、10月27日に開講。
株式会社編集工学研究所(本社:東京都世田谷区、代表取締役社長:安藤昭子)が運営するイシス編集学校は、インターネット上で24時間いつでもどこでも「編集術」を学べる学校として、2000年に開校、25周年を迎えました。 […]
第89回感門之盟「遊撃ブックウェア」(2025年9月20日)が終了した。当日に公開された関連記事の総覧をお送りする。 イシス校舎裏の記者修行【89感門】 文:白川雅敏 本を纏う司会2名の晴れ姿 […]
イシス編集学校のアドバイザリー・ボード「ISIS co-mission」(イシス・コミッション)に名を連ねる9名のコミッション・メンバーたちが、いつどこで何をするのか、編集的活動、耳寄りニュースなど、予定されている動静を […]
コメント
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2025-10-02
何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)
2025-09-30
♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。
2025-09-24
初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。