涙雨はさらに増すか、八田の口紅は赤くなるか【75感門 開幕】

2021/03/13(土)13:35
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やはり今年も雨だった。卒門、突破、績了、放伝をむかえ、あまたの門のむこうで咲き誇る花々には、したたる水滴が輝きを添える。

 

オンラインの参加者を出迎えたのは、水玉の帯をまとった律師・八田英子。やや緊張の面持ちで、うやうやしく開幕を告げる。

東京・豪徳寺のISIS館の玄関口 井寸房ですらり背筋を伸ばすその姿は、茶室に生けられた瑞々しい百合のようだった。

 

王羲之の「卒意の書」のエピソードを引きながら、オンラインであろうとも一度きりのこの感門をリアルタイムで寿ごうと呼びかける。その口元は、松岡正剛校長が「もっといけ」と背中を押した気合の紅で彩られている。

 

2021年3月13日、第75回感門之盟「Inform共読区」開幕。

2日にわたり、本楼劇場から大阪へ九州へ、ウラジオストクへ、ハワイへ送られるのは、即時編集されゆく共読区のいまだ。その一部始終を、この遊刊エディストで目撃せよ。

 

 

  • 梅澤奈央

    編集的先達:平松洋子。ライティングよし、コミュニケーションよし、そして勇み足気味の突破力よし。イシスでも一二を争う負けん気の強さとしつこさで、講座のプロセスをメディア化するという開校以来20年手つかずだった難行を果たす。校長松岡正剛に「イシス初のジャーナリスト」と評された。
    イシス編集学校メルマガ「編集ウメ子」配信中。

コメント

1~3件/3件

堀江純一

2025-10-02

何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

川邊透

2025-09-30

♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。

若林牧子

2025-09-24

初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。