【感門DUST】「爆破」には労働を 未突破学衆に課せられたお題とは

2020/09/22(火)16:45
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感門之盟は、ゴールを祝うものではない。

たとえ途中離脱を余儀なくされた者にも参加資格はある。得番録の足跡が途切れていようとも、一座として踏みしめた時間は一生消えることはないからだ。半端でも中途でも構わない。すべての人間は編集の途上にあるのだから。

 

20周年感門2日目、近畿大学では期せずして師範代・学衆の交流が実現した。前期43[破]比叡おろし教室の学衆・近大生樋口晃大。突破近大生が続出するなか、樋口は文体編集術半ばで足踏み。未突破におわったことを「爆破」と揶揄されていた。

 

樋口は、ビブリオシアター内DONDENコーナーで登壇予定があった。いつものように登校し、なにかから身を守るよう反射的に頭を下げた。正面には担当師範代・福田容子。「会えてうれしいわあ、樋口くん」京おんなもどきはにっこり微笑む。

 

その数分後、樋口の姿はDONDEN「レジェンド50」の棚で目撃された。雑巾をもって黒板消しに没頭。水で消えるというゲルチョークが固着してびくともしない。まっさらな黒板に、マンガが描かれることが予定されている。関係者に聞けば、もはや爪で削るしか方法はないという。本番3時間まえのことだった。

 

 

 

▼樋口はイシス編集学校×近畿大学のコラボ団体「0-10 EDIT STUDIO(通称ゼロテン)」副代表。https://act.kindai.ac.jp/act_activity/projects/2730.html

  • 梅澤奈央

    編集的先達:平松洋子。ライティングよし、コミュニケーションよし、そして勇み足気味の突破力よし。イシスでも一二を争う負けん気の強さとしつこさで、講座のプロセスをメディア化するという開校以来20年手つかずだった難行を果たす。校長松岡正剛に「イシス初のジャーナリスト」と評された。
    イシス編集学校メルマガ「編集ウメ子」配信中。

コメント

1~3件/3件

堀江純一

2025-10-02

何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

川邊透

2025-09-30

♀を巡って壮絶バトルを繰り広げるオンブバッタの♂たち。♀のほうは淡々と、リングのマットに成りきっている。
日を追うごとに活気づく昆虫たちの秋季興行は、今この瞬間にも、あらゆる片隅で無数に決行されている。

若林牧子

2025-09-24

初恋はレモンの味と言われるが、パッションフルーツほど魅惑の芳香と酸味は他にはない(と思っている)。極上の恋の味かも。「情熱」的なフルーツだと思いきや、トケイソウの仲間なのに十字架を背負った果物なのだ。謎めきは果肉の構造にも味わいにも現れる。杏仁豆腐の素を果皮に流し込んで果肉をソース代わりに。激旨だ。