何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
『虫と歌』『25時のバカンス』などで目利きのマンガ読みたちをうならせた市川春子が王道バトルもの(?)を描いてみたら、とんでもないことになってしまった!
作者自らが手掛けたホログラム装丁があまりにも美しい。写真ではちょっとわかりにくいか。ぜひ現物を手に取ってほしい。
(市川春子『宝石の国』講談社)

京都人の「ひさしぶり」は、ケタが違う。
「ひさしぶりに床下あけたら、防空壕が出てきましてん」
「祇園祭の曳山の鷹山さんな、しばらく“休み山”やったけど、196年ぶりに巡行に戻ってきはるえ」
「山名家と細川家がこないだ和睦したはったんやて。え、何ってほれ、応仁の乱で争うてはったやろ」
千年の都は、時間の流れもはんなりたおやか。みやこびとにとっては、先週も百年前もおなじく「こないだ」なのかもしれない。
◆気は長く、新しもん好き
かといって、伝統に縛られないのがたくましい京都人だ。彼らは、アグレッシブな「新しもん好き」でもある。パン&コーヒーの消費量が日本一。ラーメンは天下一品こってり派。祇園祭の山鉾をきらびやかに飾るのは、シルクロードからやってきた舶来のペルシャ絨毯。
新しもん好きで、気が長い。こんな気質の地では、2020年の祇園祭でも画期的な挑戦があった。疫病退散を祈願して、真言宗・寺院神泉苑と八坂神社とが協力し、神仏習合の御霊会を実現したのだ。実に明治の神仏分離令以来初めてのこと。
独自の新陳代謝で成り立っている京都。その根底にあるものは何なのか。
京都を知れば、日本もわかる。
◆京の茶室で稽古体験
8/23(日)午前、京都よりエディットツアーを開催する。
ナビゲーターは、京都在住25年の福田容子。編集学校では、[守][破]師範や[離]別番などを歴任する。その言葉は妖刀のごとき斬れ味で、あまたの袈裟斬り伝説がひそやかに語り継がれている。
本業は、まちづくりのプロ。
この夏、世界遺産・二条城からのライブ配信を実現させ、禁断の非公開エリアからも中継を行うなど、「史上初」の冠をほしいままにする凄腕プランナーでもある。
そんな福田、今回のオンラインツアーのロケ地選定にも余念がない。彼女が手配したのは、京都東山を借景とする日本庭園。比叡山を望む茶室を貸し切り、晩夏の京の風を感じてもらう仕立てだ。
1000年の歴史に肖る、90分の京都旅情。
うちもきばりますさかい、よろしゅうおたの申します。
【EX京都】
はんなり編集しはっておおきに祭 /福田容子、阿曽祐子、梅澤奈央
・日時:8月23日(日)10:30 〜 12:00
・参加費: 1,100円(税込)
・申し込み:https://shop.eel.co.jp/products/detail/239
今回のエディットツアーでは、京都の「気の長さ」を体感しつつ、時間の見え方が変わる編集稽古体験を行う。
100年、200年を柔軟に飛び越えられるのは、なぜなのか?
新奇なものを取り入れても「京都らしさ」が揺らがない秘訣とは?
ローカリティーを超えた京都の「方法」に迫る。
新しい歴史観や祇園祭のトリビア、さらにはいけずな京都人対策も身につくまたとない機会。お隣さんに「お嬢ちゃん、ピアノ上手にならはったなあ」と言われたら、なんと答える?
正解がわからないあなた、ぜひともツアーへおこしやす。
(「奇内花伝組」額撮影:木藤良沢)
梅澤奈央
編集的先達:平松洋子。ライティングよし、コミュニケーションよし、そして勇み足気味の突破力よし。イシスでも一二を争う負けん気の強さとしつこさで、講座のプロセスをメディア化するという開校以来20年手つかずだった難行を果たす。校長松岡正剛に「イシス初のジャーナリスト」と評された。
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2025-10-02
何の前触れもなく突如、虚空に出現する「月人」たち。その姿は涅槃来迎図を思わせるが、その振る舞いは破壊神そのもの。不定期に現れる、この”使徒襲来”に立ち向かうのは28体の宝石たち…。
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2025-09-30
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2025-09-24
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